広島電鉄本通駅から徒歩1分に立地し、ビジネスマンからファミリーまで幅広い客層に親しまれる。RCCテレビ番組「イマナマ!」の料理コーナーに10年以上レギュラー出演する代康徳オーナーが、肩肘張らず気軽に来店できる中国料理店を目指して2016年にオープンした。
「特別な食材でなくても技術でおいしくするのが中国料理の基本です。看板メニューは熟成1年のトウバンジャンとサンショウを使ってより本場に近い味を再現した『陳マーボー豆腐』です。食べて自然と頬が緩むようなおいしい料理を提供していきたい」
広島市出身で東京理科大学を卒業後、そごう広島で父が経営していた旧広島四川飯店に入社。31歳で中国・四川省に渡り、約2年間本場で中国料理を学んだ。マーボー豆腐やエビチリ、八宝菜などのメイン料理と小鉢、サラダ、おかわり自由のご飯とスープ、漬物、あんにん豆腐のランチセット(880円〜)が人気という。
ロードバイクが趣味で、2016年からヴィクトワール広島のスポンサーを務めています。それまで、趣味らしい趣味がなかったのですが、デュアスロンが趣味の社員に触発されて30万円ほどの自転車を思い切って購入。妻に「エンジンがついていないのにどうしてそんなに高いの」と言われ、「エンジンは自分の足だ。今は軽だけど、鍛えてそのうち馬力をつける」と説得したのを覚えています。いざまたがってみるとママチャリとはまるで別物。しまなみ海道を走ると、絶景だけでなく、匂いや心地よい海風を感じることができる。年に2回は大会に出ており、年齢を重ねてもしっかり完走し続けることで体力維持に努めたい。今後の目標は四国一周です。
ヴィクトワールの中山卓士社長と初めてお会いした時はまだ選手権監督でした。競技で負傷している中、松葉杖をつきながら当社を訪れてくださり、その人柄にひかれ、その日のうちにスポンサーになると決めました。ロードバイクは東京オリンピックで注目が高まったとはいえ、日本ではまだまだ。ぜひ表彰台に上がり、広島からロードレース文化を発信してほしい。
当社のある太田川流域を「かわなみサイクリングロード」と命名し、イベントなどを通じた地域振興にも取り組んでいます。来年には地域の方々に当社を知っていただけるオープンイベントも計画。地域密着のヴィクトワールと同様、地域に一番のかけがえのない会社を目指したい。
なぜそこまでやるのかと思うが、流通業界の再編統合の動きは地方も巻き込み、容赦がない。他社を圧倒するためより強く、より大きな力を持って覇権を競う。生存本能そのものなのだろう。
スーパーのフジ(松山市)は9月1日、流通大手のイオン子会社で南区段原南に本社を置くマックスバリュ西日本(MV西)と2024年3月を目途に合併し、イオン子会社の新会社を設立すると発表した。フジはイオンの傘下に入り、活路を広げる。
中四国に132店を展開するフジの前2月期売上高は3153億円。同エリアに381店を擁するMV西は同5332億円。両社を足すと8500億円近くになる。イズミ(東区)の6797億円を抜き去り、商業施設やスーパー運営で一躍、地場トップに立つ。イズミはどんな手を打ってくるだろうか。中四国の覇権をめぐり、全面対決の様相を呈してきた。
ひと足速く、2018年4月にイズミはセブン&アイ・ホールディングスと業務提携した。これに応じるかのように同年10月、フジはイオンと資本業務提携すると発表。このときから両社の合併は既定路線だったのだろう。
もう一つ動きがあった。百貨店の天満屋(岡山市)は9月3日、広島緑井店をフジに譲渡し、来年6月30日をもって閉店すると発表。フジは隣接地で運営するフジグラン緑井と一体的に運営する構想を描き、取得後に全面改装する予定という。かつて天満屋は中区の八丁堀店、西区のアルパーク店と合わせて市内3店体制だったが、これで3店共に姿を消すことになり、広島県内では福山市の2店だけになる。近年は郊外へ大型商業施設が次々と進出し、一方で閉店と再開発を重ねて広島都市圏の商業地図はめまぐるしく変貌。底流にはとてつもなく大きな力が作用しているのではなかろうか。
流通業界の再編統合が加速する背景には人口減少、少子高齢化による家計消費の縮小に加え、経営効率を高めるデジタル化投資、カード特典による囲い込み、自社ブランド(PB)商品の開発や仕入れ交渉を有利に運ぶ必要にも迫られているという。
一方で異業種からの参入や業態間競争が一段と激化。百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ディスカウントストア、ドラッグストア、家電量販店やホームセンターなどが縮小する市場を奪い合う。コロナ禍が促したのか、最近は広島でもスマホから注文する宅配サービスが次々に登場。生鮮品などを満載した移動販売車が住宅団地を巡回し、消費者の近くまでやってくる。新手の通販やインターネット購買なども業界を揺るがす。
県内はハローズ(福山市)やエブリイ(同)が出店攻勢をかけ、地元スーパーのフレスタ(西区)、万惣(佐伯区)、藤三(呉市)、スパーク(西区)、西條商事(東広島市)などがそれぞれ隙間を埋め、地域密着の独自路線で生き残りを懸ける。
安くて良いだけでは太刀打ちできない。便利とか、高くても買いたいと考える消費者の選択肢は格段に広がっており、この要求にどう応えていくのか。大手と地元資本、新旧勢力を交えて生き残り作戦がエスカレートしそうだ。